資料名:おしゃれな渡り鳥
オシャレナワタリドリ
作者:中村晋也
ナカムラシンヤ
1926~? (大正15年~)
分類:美術品-彫刻
制作年:1978 20世紀後期 昭和
所管:鹿児島市立美術館
キーワード:日展 人物 子供
作品名(総称):おしゃれな渡り鳥
材質・形状・技法:ブロンズ
形状(縦・高さ):124cm
形状(横):44.8cm
形状(奥行き):35.3cm
形状(その他):W42 D33
箱書・サイン等:台上にサイン Shinya
収集年月日:1979/3/28
解説:
「おしゃれな渡り鳥」は1978年(昭和53年)の日展評議員・会員選抜展の出品作。中村彫刻によく形容される「愛と詩情」にぴったりの作品といえよう。「人間を奏でる詩をつくりたい」という、作家の内なる人間賛歌の叫びが、氏の感性の中で静かに醸成され、ぬくもりに満ちた少女像となっている。洗練されたテクニックと、詩想豊かなフォルムで見せる中村彫刻の代表作の一つと言えよう。
「彫刻は詩でなくてはならない」と、彫刻の詩情を重視する中村晋也は1980年前後を中心に子どもをモチーフにした作品をしばしば手がけました。1981年の第13回日展の会員賞受賞作〈星の祈り〉も子どもを表した夢に溢れた作品でした。
本作品は、井上靖の小説「海峡」の一場面から想を得ています。「主人公が北へ帰る渡り鳥(アカエリヒレアシシギ)を求めて、下北半島に入った時、まさにその鳴き声を聞く」という美しい情景をもとに自らのイメージの世界を創り、「山中から海へたどる道でこんな女の子と出会った気分になった」といいます。透明感のある美しい世界を垣間見ることのできる作品です。